第1回『このミステリーがすごい!』大賞、金賞受賞作として、「描写力抜群、正統派の魅力」「新人離れしたうまさが光る!」「張り巡らされた伏線がラストで感動へと結実する」「ここ十年の新人賞ベスト1」と絶賛された感涙のベストセラーというので読んでみました。
脳に障害を負った少女とピアニストの道を閉ざされた青年が山奥の診療所で遭遇する不思議な出来事を描ている。
3人目の主人公とも言える真理子は、雷事故をきっかけに魂移しがおきてしまう。
魂は雷事故で庇った相手の体に乗り移っているが、その期間は4日しかないことを知っている。
一方、自分の体の方は、ほぼ助かるのが絶望的という状況。
「相手の魂ごと自分の体を殺してしまえば、自分は助かるかもしれない。」
そんな思いになるのは、当然とも言える。
しかし、最後にはすべてに満足して、自分からもとの体に戻って、エンディングを迎える。
箱根芦ノ湖あたりのひっそりとしたホテルで読むのに良いかも。