昭和二十年八月九日、ソ連参戦の夜、満州新京の観象台官舎。夫と引き裂かれた妻と愛児三人の、言語に絶する脱出行がここから始まった。敗戦下の悲運に耐えて生き抜いた一人の女性の、苦難と愛情の厳粛な記録。戦後空前の大ベストセラーとなり、夫・新田次郎氏に作家として立つことを決心させた、壮絶なノンフィクションである。
なんとも表現が出来ない。
何故なら今の若い人たちには間違いなく理解できない出来事だ。
間違いなく人間の限界の話だ。
その証拠に同じように脱出生活をしている中で周りで仲間の人たちが亡くなっていく。
しかし帰り着いた話である。
帰れないで、現地でどんな形にしろ、今もつらい生活をしている日本人がいるはずだ。